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脳神経外科

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概要

 脳卒中(脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血)や神経外傷などの救急疾患に対する迅速な対応をモットーとしております。24時間365日体制で、CTやMRIなどを用いた早急かつ的確な診断と治療を行います。年間約400名を越える方が当科に入院されていますが、事実その約50%が脳血管障害、20-30%が神経外傷で占められています。
 当科では、顕微鏡を用いた開頭手術を専門としていますが、カテーテルを用いた脳血管内治療や神経内視鏡を使用した身体に負担のかからない侵襲性の低い治療も導入しています。昨今の高齢化社会においては、早期の在宅・社会復帰が求められており、これらの低侵襲治療の必要性は益々高くなると予想されます。
 平成20年4月からは脳腫瘍治療科を併設し、脳腫瘍の診断と治療にも積極的に取り組んでおります。脳腫瘍の治療においては、特に悪性度が高くなると、手術のみならず、抗がん剤などの化学療法や放射線治療などの併用が重要になります。当院では、幾つかの治療を組み合わせながら、最も有効かつ安全な治療を行うことに留意しております。

 

対応疾患

脳血管障害

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クモ膜下出血 多くは、脳動脈瘤の破裂によるものです。死亡率が30-40%に及ぶ重篤な疾患です。治療には、開頭による脳動脈瘤ネッククリッピング術とカテーテルを用いた脳血管内治療(脳動脈瘤コイル塞栓術)があり、患者さんの状態、脳動脈瘤の性状を検討して、最適な治療方法を選択します。
未破裂脳動脈瘤 将来クモ膜下出血をおこす可能性がありますが、その年間破裂率(クモ膜下出血をおこす1年当たりの危険率)は、高々0.5から1.0%程度であり、早急な治療が必要な訳ではありません。破裂を防止する治療は、上述の脳動脈瘤ネッククリッピング術か脳動脈瘤コイル塞栓術といった手術しかなく、治療の合併症も存在する以上、慎重な対応が要求されます。一般に、大きな脳動脈瘤、全身状態の良好な比較的お若い方、経過観察中に増大するものは、手術を優先的に考えます。治療にあたっては、専門医のお話をよく検討されることが必要です。当院でも未破裂脳動脈瘤の治療を行いますが、基本的には経過観察を優先させています。
脳内出血 多くは、高血圧が原因となる脳内の細い動脈が破れて出血するものです。基本的には、血圧管理や脳浮腫を抑える薬剤の投与、リハビリテーションなどの保存的治療で対応しますが、大きな脳内血腫で生命に関わる危険性が高い場合には、血腫を除去する手術を行います。当院では、基本的に身体の負担が極めて少ない内視鏡を用いた手術(内視鏡下脳内血腫除去術)を早期から導入しており、十分な手術経験を持っています。
脳梗塞 脳の動脈が閉塞し、脳が働きを失う病気です。最近、高齢化や食生活の変化に伴い、急増している疾患です。大別すると、心房細動などの不整脈により心臓内に血栓が形成されて脳内動脈を閉塞させる心原性脳塞栓、頸動脈や脳内動脈の動脈硬化で生じるアテローム血栓性脳梗塞、高血圧やコレステロール値の上昇に伴い脳内の細い動脈が閉塞するラクナ梗塞の3つがあり、各々の病態に応じた治療を行います。発症後4時間半以内であれば、血栓を溶かすtPAという薬剤の静脈注射を行います。当院では、常にCTとMRIを稼働させ、早期診断と治療に心掛けております。また、頸動脈の動脈硬化による狭窄では、ステント留置術も行っています。

 

頭部打撲

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頭部打撲 単なる頭部打撲でも、時には頭蓋内出血を合併していることがあります。当院では、神経所見に基づき、必要であればいつでも頭部CTでその確認を致します。
頭蓋骨骨折 頭蓋内出血を伴わない単なる頭蓋骨骨折のみであれば、多くは問題ありません。ただし、後に頭蓋内出血をきたすこともあるため、基本的に入院して経過観察致します。ただし、頭蓋骨が陥没して脳を圧迫している、頭の皮膚が裂けて骨折部位が露出している場合には、手術を必要とすることがあります。
視神経管骨折 視神経を取り巻く頭蓋骨の骨折で、視神経の障害をきたした場合(視力、視野障害をきたします)には、視力の回復が期待出来る場合に早期の減圧術を行います。
慢性硬膜下血腫 軽度の頭部打撲で脳の表面の静脈が切れて出血するものですが、数週間かけて徐々に血腫が増大するものです。高齢の方に多く、脳の表明にサラサラとした液状の血液が溜まり、脳を圧迫します。頭痛、ふらつき、手足の麻痺、自発性や意欲低下、記憶障害などの認知機能障害などが徐々に悪化します。局所麻酔で頭蓋骨に穴を開けて血腫を洗い流す手術で、症状は軽快します。
急性硬膜下血腫 頭部外傷で、脳の表面の血管が裂けて硬膜の下で脳の外に血液の塊ができて脳を圧迫するものです。少量の血腫ならば経過観察しますが、意識障害をきたすほどの血液が溜まると緊急手術(開頭・硬膜下血腫除去術)を必要とします。
急性硬膜外血腫 頭部外傷で、頭蓋骨の骨折などに伴い、多くは脳を被う硬膜の血管が裂けて出血して生じます。少量であれば、経過観察のみとしますが、脳の圧迫が強いと生命に関わるので緊急手術(開頭・硬膜外血腫除去術)を行います。
脳挫傷・外傷性脳内出血 頭部を強打することで、脳そのものが損傷して出血するものです。血の塊が小さければ、薬物治療のみで経過観察します。大きな血腫ができて脳が圧迫される、脳の腫れがつよく頭蓋内圧が上がって意識障害をきたした場合には、開頭・脳内血腫除去術を必要とします。
外傷性クモ膜下出血 頭部打撲で脳表面の細い血管が切れ、クモ膜の下の狭い空間に少量の血液が溜まるものです。上記の頭蓋内出血を合併していなければ、基本的に経過観察のみで対応します。

 

水頭症

 頭蓋内で髄液の流れや吸収が障害され、髄液が溜まっている隙間である脳室が異常に大きくなったものです。脳実質内に髄液がしみ込み、脳の血流も低下し、記憶力低下や自発性・意欲低下などの認知機能障害、尿失禁、歩行障害をきたすものです。脳血管障害や外傷による頭蓋内出血後、脳腫瘍に合併して生じるものの他、加齢に伴う髄液循環障害による特発性水頭症があります。特に特発性水頭症は、認知症や歩行障害の原因として最近注目されています。
 頭蓋内に過剰に溜まった髄液を腹腔内に流し込む手術(髄液シャント術)で、症状の改善が得られます。当院では、脳室—腹腔髄液シャント術と腰椎クモ膜下腔—腹腔髄液シャント術、神経内視鏡による水頭症手術の全てに対応しています。

 

脊椎脊髄疾患

 整形外科のみならず、当科でも対応します。四肢のしびれ感や疼痛、運動障害、頚部痛・腰痛を含めて、気軽にご相談ください。

 

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椎間板ヘルニア なるべく切らずに薬物療法や安静療法で対応していますが、手足のしびれや痛みが強い、手足の運動障害がある場合には、椎間板ヘルニア摘出術や脊髄の圧迫を和らげる手術を行っています。
変形性脊椎症 加齢に伴う脊椎の変形をきたしたものです。脊髄や神経の圧迫症状が強くなれば、手術を行うことがあります。
後縦靭帯骨化症・黄色靭帯骨化症

脊椎管(脊髄が入っている脊椎の筒状のスペース)の内の靭帯が骨化して厚くなり、脊髄を圧迫するものです。

脊椎管狭窄症 元来、脊髄が入っている脊椎の筒のスペースが狭いものです。変形性脊椎症や椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症などが加わり、脊髄や神経の圧迫をきたします。手足のしびれや運動障害などが強い場合には、脊髄の圧迫を和らげる手術(椎弓切除や形成術)を行います。
脊椎骨折 脊椎がグラグラしてしっかりと固定できずに脊髄や神経の障害をきたす場合には、脊椎を固定する手術を行います。
脊髄腫瘍 髄膜腫や神経鞘腫などがあります。手足のしびれ感や疼痛、運動障害、歩行障害、排便・排尿障害などがあれば、摘出術が必要になります。

 

頭痛診療

 器質的疾患にこだわらず、片頭痛や緊張型頭痛などの慢性頭痛や、最近話題の脳脊髄液減少症の診断と治療も行っています。担当の松村までご連絡ください。

 

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片頭痛 比較的若い方に多い、拍動性の強い頭痛、嘔気・嘔吐、光・音過敏などを伴う頭痛です。頭蓋内に怖い病気がない頭痛とは言え、日常生活や学業、仕事に支障をきたす厄介な頭痛です。当科では、その診断と治療に20年近く関わっており、その診断率の高さに自信があります。一方で、薬物治療のみならず、ライフスタイルの改善を含めた指導まで、きめ細やかに対応することを心掛けております。
緊張型頭痛 肩こり、首のこり、頭部の筋肉の収縮に伴って生じる、重たい、締め付けられる様な痛みです。ストレスが原因になっていることが多いのですが、薬物治療を含めた適切な対応を行います。
群発性頭痛 流涙、眼の充血、鼻水などの症状を伴う、我慢出来ないほどの激しい痛みが、群れをなすように一時期に集中的に生じる痛みです。中年男性に多いと言われますが、有効な治療方法が少ない厄介な頭痛です。生命にかかわったり後遺症が残ることはありませんが、日常生活や仕事ができなくなるほどであり、原則的に入院治療を行っています。
脳脊髄液減少症 外傷などに伴い、脳脊髄を被うクモ膜に断裂を生じ、クモ膜の下に溜まっている髄液が漏れ出るものです。頭蓋内圧が下がり過ぎて、頭痛、嘔気、ふらつき・めまい、耳鳴、手足のしびれや運動障害など様々な症状を出します。寝ている時はましだが、座ったり起き上がると症状が強くなるのが特徴です。最近では、むち打ち症と言われるものに潜在していることで注目を浴びています。診断は比較的困難ですが、当院では頭部MRIや脊髄造影検査、放射性同位元素を用いたRI脳槽造影検査などで、細かく調べています。また、ブラッドパッチなどの治療にも対応しています。

 

対応がん(脳腫瘍)

 脳腫瘍は、頭蓋骨の中に発生する腫瘍の総称ですが、非常に多くのものが含まれています。それらの腫瘍の悪性度は様々で、腫瘍の性質や場所により治療方法や治療後の経過が大きく異なります。一般的な治療として、手術、放射線治療(通常の放射線治療や定位放射線治療)、抗がん剤などの化学療法を、単独あるいは組み合わせて行います。大きく分けて、頭蓋骨の中だが脳の外に発生して脳を圧迫する腫瘍(良性腫瘍が多い)と、脳実質の中に発生する腫瘍(悪性腫瘍が多い)があります。一般に、良性腫瘍は手術で全部摘出しますが、手術の合併症が起き易い場所に発生したものは、一部を残して放射線治療を併用することがあります。脳内に発生した腫瘍の場合には、多くの場合に手術で摘出した腫瘍の組織像を検討した後に治療方針を決定します。

 

脳腫瘍の症状

頭痛(特に朝方に強いもので、嘔気・嘔吐を伴うものは要注意です)

 

手足の運動障害やしびれ感

 

視力や視野の障害

 

これらの症状が徐々に強くなる場合には、脳腫瘍の可能性が否定できません。

 

てんかん発作:一時的な意識消失をきたすこともあります。

 

代表的な脳腫瘍

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髄膜腫 頭蓋骨の中で脳の外にでき、脳を圧迫する腫瘍です。良性のものが80%余り、再発し易いものが10-20%含まれています。手術のみで治療し、一部に放射線治療を併用することがあります。症状がなく偶然に発見された場合には、経過を見て大きくなる様なら治療時期を決めます。
聴神経腫瘍 耳の神経から発生する良性腫瘍で、基本的には脳の外に存在します。通常聴力低下やふらつきで診断されます。直径2cm以下の小さな腫瘍にはガンマナイフ等の定位放射線治療で治療する場合が増えています。直径3cm以上で、腫瘍による症状が存在する場合には、手術が第一選択になります。
下垂体腺腫 ホルモンを産生する下垂体にできる腫瘍で、その多くは良性です。ホルモンを産生する腫瘍では、末端肥大症や生理不順などをきたすことがあります。傍にある視神経の圧迫で視力や視野障害をきたします。これらの症状がある腫瘍であれば、手術を必要とします。手術は神経内視鏡を用いた経鼻的下垂体腫瘍摘出術か開頭による腫瘍摘出術を行います。ホルモン産生腫瘍の一部では、薬物治療でも効果があります。
神経膠腫(グリオーマ) 脳の実質から発生する脳内に出来る腫瘍です。悪性度は4段階に分類され、悪性神経膠腫には放射線治療と抗がん剤を併用します。抗がん剤でよく使用されるのは、テモダールという薬剤です。最も悪性度が高い膠芽腫(グリオブラストーマ)では、平均生存が1年余りですが、年齢、腫瘍の性質、手術での摘出具合により異なってきます。
悪性リンパ腫 脳から発生したものと、全身性の病巣から脳に広がってきた場合があります。放射線や抗がん剤が治療の主体となります。手術で腫瘍を全て取る必要はなく、診断をつけるための手術(頭蓋骨に小さな穴を開けて腫瘍の一部を採取して組織診断をする生検術)にとどめることが殆どです。
転移性脳腫瘍 他の臓器に発生したがん(肺がん、乳がん、大腸がんなどの消化器がん、腎臓がん、前立腺がん、子宮がんなど)が、脳の中に転移したものです。3cm以下の小さなもので放射線の効果が高いものは、ガンマナイフなどの定位放射線治療を行います。また、抗がん剤などの化学療法も併用します。大きな腫瘍であれば、症状の改善を図るために手術で摘出することがあります。

 これらの脳腫瘍は、再発し易いものも含まれており、退院後も注意深い観察が必要です。また、単なる手術だけでなく、化学療法や放射線治療の併用が必要であり、十分な経験と知識をもつ医師にご相談することをお勧めします。当院では、脳腫瘍治療科担当医が、責任もって診療にあたります。

 

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